「永代経法要」とは?~法要にお参りするこころ~

 「永代経法要」とは、永代(長い年月)にわたり、仏教の教えが後生に伝わることを願いつつ、お勤めする法要のことです。

 仏教において有名な言葉に「諸行無常(ショギョウムジョウ)」という言葉があります。鎌倉時代に成立した『平家物語』の冒頭に綴られる


  祇園精舎の鐘の声  諸行無常の響きあり

  沙羅双樹の花の色  盛者必衰の理をあらわす


の一節は、特に有名であります。この「諸行無常」とは、仏教における世の中の見方を表す言葉で、「この世のすべてのもの(行い)は、常に変化し、止まることはない」という意味の言葉です。

 一人ひとり、それぞれの人生を振り返ってみても、この言葉の意味は、理解できるのではないでしょうか?順調よく生活出来ていると思っていても、突然、想定外の事が起こったり、あるいは、思いどおりにならないことが続いても、あるとき、思いがけない幸運に恵まれたり、人生、山あり谷ありであります。そのような人生において、様々な困難を何とか乗り越えて今があるというのが、私たちの実感ではないでしょうか?

  「諸行無常」の人生を送る私たちが、仏教の教えに照らし合わせながら、普段の生活を見直すとともに、その教えが世代を超えて受け継がれていくことを願いつつ、お勤めする法要が永代経法要なのです。

 「永代経法要」では、本堂に、お寺を護持し、仏法を後生へと伝承してくださった方々の法名を掲げてお勤めします。これは、仏教において、亡き人を「諸仏(ショブツ)」としてとらえ、私たちが、亡き人を偲ぶ中で、思い起こされる、姿や言葉を亡き人からの大切なメッセージとして受け取り、そのメッセージを私たちの生きていく活力としていただいていくという意味があります。

「永代経法要」をお参りするに際し、今一度、亡き人を偲びつつ、自分の普段生活を振り返ってみてはいかがでしょうか?


皆福寺

創建800年 皆福寺 それは、 先人の記憶・思い・願いをとどめる場所 そして、その場所は、 今を生きる私たちの活力を得る場となる ~月に一度は、お寺で心の洗濯を!~